薬師寺での勉強会
昨日は南海電鉄和歌山市駅前での早朝街頭演説の後、奈良の薬師寺に行ってきました。
薬師寺で開かれる寺島実郎戦略経営塾に参加するためです。
和歌山からは、南海電車で難波に出て、近鉄奈良線で西ノ京駅下車、2時間弱の行程でした。案外、近かったです。
まずは、経営塾の参加者全員で薬師寺境内の見学。金堂で、ご本尊の薬師三尊像にお参りしました。そして、現在、国宝の東塔が解体修理中で、三重の塔の頂点に取り付けられている「水煙」が地上に降りているのを拝観しました。
4枚の水煙には、24体の飛天(天人)が透かし彫りされています。「凍れる音楽」と評される、美しいものです。本来、塔の上にある時には、肉眼でここまで詳しく見ることはできません。
修理の後は、何百年も地上に降りてこないものですから、たいへん貴重な機会をいただいたことになります。
その後、薬師寺が奉ずる「法相宗」の教学をインドに求め、17年間の旅の末に経典を持ち帰った玄奘三蔵法師の遺骨をおまつりしている玄奘三蔵院伽藍にお参りしました。
玄奘三蔵法師は、孫悟空の登場する西遊記の主人公であることは皆さんご存知の通りです。
その寓話の通り、艱難辛苦の17年間の旅ですから、出発前に、志を遂げなければ二度と故郷の中国(インドに対して東)に戻らないとの決意を「不東」としたためた玄奘三蔵法師。
それが、高田好胤元管主の筆で伽藍の正面に掲げられていました。
見学ツアーの後は、寺島実郎先生の講義と、山田法胤管主の講義を聞かせていただきました。
山田法胤管主は、厳しい修行を経てこられた方だけが持つ、突き抜けた暖かさを持つ好々爺でした。関西弁丸出しで、爆笑をさそいながら、しっかりと法話をいただきました。
「今日の機械文明は神や仏が造ったものではない。全て人間が開発したものである。ところが、その張本人である人間とは何者かということの探求が十二分にされていない。科学者も仏陀から見ると凡夫(愚者)である。」と、「経済成長、合理主義、原子力」などへの懐疑を説かれていました。
お話の内容もさることながら、山田法胤管主の人間力に圧倒された一日でした。