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2013年12月17日

伊藤忠商事中島精也チーフエコノミストの経済分析

(伊藤忠商事中島精也チーフエコノミストと記念撮影)

 今日は、旧知の中島精也・伊藤忠商事チーフエコノミストと久しぶりに意見交換ができました。来年度の経済見通しとアベノミクスの評価に関して、貴重なお話を聞くことができました。

 米国経済に関しては、2014年のGDPは実質3%台の成長を予測します。一方で、米中央銀行は、リスク過敏症で、失業率7%の今、金融緩和を停止すべきなのにまだ開始していないと批判します。

 ユーロ圏を3つに分けて、周縁国は高失業率、政府財務残高水準のため予断を許さない。仏と伊は改革を行わず単位労働コストの上昇で競争力を失っている。独は一人勝ち(経常収支黒字はGDPの7%)。

 一方で、ヨーロッパ中央銀行の金利低下余地は後0.25%で、政策は手詰まり。

 中国の成長率は2010年の10.4%から,12年の7.7%と年々低下。課題は地方官僚のGDP至上主義とシャドーバンキング問題。中央対地方政府との主導権争いに発展する。一方、賃金と土地代の高騰もあり、中長期的には6〜5%成長に低下は必至。

 日本経済は、アベノミクスで閉塞感は一掃され、景気マインドは好転。しかし、円安にもかかわらず輸出は伸びない。実質賃金はなおマイナス1%超、円安で物価は上昇だが、消費税引上げ前の駆け込み需要で、消費は一時的に伸びている。住宅投資も駆け込み需要で前年比プラス10%。問題は、景気のムードが良いのに、設備投資が弱いこと。

 来年度はこれらの反動で、厳しい状況。このマイナス面をカバーするには輸出しかないため、日銀は更なる金融緩和で110円まで円安誘導するとのマーケットの予想。しかし、それでは輸入も増え、経常収支にも悪影響のおそれ。

 アベノミクスのマインド切り替え効果は評価。しかし、第1の矢も第2の矢も賃金が上昇するまでの時間稼ぎに過ぎない。財政のバラマキによる土建国家への先祖返帰りは大きな政府になり成長力強化に逆行。

 日本再興戦略はイノベーションによる生産性を上げる政策になっていない。賃金を上げるには生産性を上げなければならないのだが。

 最大の問題は、財政赤字と経常赤字の双子の赤字の危機が迫っていること。経常黒字は2007年25兆円、10年16兆円、13年4兆円と急減。このトレンドが続くと数年後には経常赤字が恒常化し、貯蓄不足になり外資依存イコール長期金利上昇の危機になる。

 以上が、中島チーフエコノミストの分析です。

 今、日銀がいわば財政ファイナンス(発行された国債の7割を日銀が購入)を行って、人為的に長期金利を押さえ込んでいるだけに、その危機が表面化する可能性が高いと私も思います。

 来年の通常国会では、このようなリスクがあることも正確に指摘していきたいと考えています。

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