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2013年10月14日

万葉薪能

 「NPO法人和歌の浦万葉薪能の会」が主催する「万葉薪能」は今年で15年目を迎えます。

 10月13日の日曜日、秋晴れのさわやかな夕暮れ時、方男波公園野外ステージに800人を超えるお客さまに来ていただきました。

 第1回は1999年10月に松井彬先生の喜多流能「鶴」で始まったそうです。私は私は第8回から参加しています。

 最近は、なかなか準備からお手伝いできませんが、いつも会場係で芝生席の方用に座布団を配っています。

(会場入り口で座布団を配る岸本周平)

 「和歌の浦」は2010年に「国指定記念物(名勝)和歌の浦」として指名されました。方男波海岸は万葉の時代から和歌にも歌われた名勝であり、波の音、風の音を背景に風光明媚な場所での薪能は日本でもここだけです。

 演目は、大蔵流狂言「二人袴」と喜多流能「経政」でした。経政は第1回と同じ松井彬先生が舞ってくださいました。

 「二人袴」は過保護の息子が婿入りのあいさつに行く際に、父親について来てもらいます。一つしかない袴を融通したり取り合ったりして、裂けた袴を二人で着用。舞を舞ったら、「お尻隠さずに、、」心が和む狂言です。

 「経政」は幽玄この上ないお能でした。いつもは他のイベントと掛け持ちしているのですが、今年はじっくりと拝見することができ感動しました。

 日本の文化の神髄に触れるひと時でした。能楽堂の中では感じられない雰囲気は格別です。

(薪の幽玄な炎)

 「経政」は平家の若武者をシテとした「修羅能」の一つで、王朝文化の優美な雰囲気が漂います。琵琶の名手でった経政の幽霊が、生前愛用した「青山」という琵琶を奏でるものの、修羅道に落ちたわが身を恥じ(刀を振り回し、戦の様子を表す)、暗闇に消えていくというストーリーです。

 何百年もの間、日本人に愛されてきた哀しい物語を、方男波海岸で鑑賞できることに和歌山市民として誇りを感じます。

 来年は、10月12日に大蔵流の狂言「盆山」、観世流能「望月」を開演します。奮ってご参加ください。

 「友の会」会員募集中です。

 事務局:和歌山市新和歌浦2-2 木村屋 073-444-0155

 

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