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2013年8月22日

「右傾エンタメ」とは何か

(百田尚樹著「永遠のゼロ」、講談社文庫、2009年7月)

 直木賞作家の石田衣良さんは、「右傾エンタメ」という造語をつくっています。

 石田さんによれば、「君たちは国のために何ができるのか、と主張するエンタメが増えているような気がします」。(朝日新聞2013年6月18日、ニュースQ3より。以下同様。)

 石田さんは、百田尚樹さんの「永遠のゼロ」に対して、「かわいそうというセンチメントだけで読まれているが、同時に加害についても考えないといけないと思う。読者の心のあり方がゆったりと右傾化しているのでは。」と語っています。

 朝日新聞の記事によれば、同様に百田さんの「海賊と呼ばれた男」や有川浩著「空飛ぶ広報室」、福田和代著「碧空のカノン」なども「愛国エンタメ」の系譜として整理されています。

 ここは、判断が難しいところだと思います。

 小説や映画は、その人、その人によって受け取り方が異なって当然です。年齢や、職業、知的な関心の差などから、受け止め方は千差万別なのでしょう。

 私は、「永遠のゼロ」を読んで、ラブストーリーの合間に、いかに日本の官僚機構や軍隊が無能で無責任であったかという歴史を学びました。反戦の書として受け止めました。

 「海賊と呼ばれた男」も、主人公の清廉潔白で情熱的な武士道型の生き方と、ずるがしこい卑怯な官僚や財界人の対比に関心を持ちました。

 もっとも、読了後、「日本にもこんなに立派な経済人がいたんだな。」と胸のすくような感動がありましたが、それは「愛国」ではなく、「人間の生き様」への感動であったと思います。

 12月に封切の映画「永遠のゼロ」を制作したアミューズの大里洋吉さんは、「安易な反戦映画やお涙ちょうだいものはつくらないでもらいたいと監督に指示したが、出来上がりは本物の反戦映画に仕上がった。」と言われています。

 映画を観た人々の反応が楽しみです。私も、次回の劇場映画は「永遠のゼロ」と決めています。どんな風に感じるのか、興味津々ですね。

 この間ブログに書いた、「風立ちぬ」も「少年H」も「反戦エンタメ」だと思います。これは、しかし、私の主観ですから、世間の反応とは違っているのかしらん、、、、、?

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