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2013年4月10日

衆議院予算委員会で、行政改革を語る!

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 今日は、衆議院予算委員会で、行政改革、予算の効率的・効果的な使用、無駄の削減などについて質問しました。

 以下、概要を載せます。

1.行政改革

 まずは、安倍政権の行政改革に対する基本的な姿勢や考え方を掘り下げたいと思います。国民は、確かに、経済の再生を期待していますが、だからといって、予算のばらまき、なんでもありなどとは思っていないはずです。特に、消費増税を前に、政府部門の効率化も当然ながら要求しています。

 民主党政権では、政府部門の効率化や行政改革は、大きなテーマでした。そのすべてがうまく行ったとか、相当の財源が確保されたとか、自画自賛するつもりはありません。しかしながら、行政改革には最大限のエネルギーを注いで、取り組ました。

 安倍政権では、行政改革はどこかに行ってしまい、霞が関が拍手喝さいを挙げているのをご存じでしょうか。彼等は、現在、行革など過去のものだという認識です。こんなことでよいのでしょうか。

(対稲田大臣)
問1.最初に、行政改革を担当する稲田大臣にお尋ねします。稲田大臣は、3月19日の参議院・内閣委員会で所信を述べられていますが、そこで、行政改革推進本部、行政改革推進会議を設置して、行政改革を検討すると言っています。この本部で何が決まったのか、ご説明願います。

(対稲田大臣)
問2.去る4月5日の行政改革推進本部で決まったのが、行政事業レビューと調達改善計画ということですね。この2つは、ともに民主党政権において始めたものであり、安倍政権において、引き継がれたことは評価したいと思います。

 しかしながら、安倍政権の行政改革はこれだけなのでしょうか。第1次安倍内閣では、公務員制度改革をはじめ、レジーム・チェンジの看板を掲げて努力したと思いますが、第2次安倍内閣では、たったこの2つだけなのでしょうか。それとも、行政改革についての基本的な哲学と戦略はあるのか、あるのであれば、その中身を教えてください。

(対官房長官)
問3.稲田大臣の答弁は、官僚の作文そのもので、政権としてのやる気は感じられません。そこで、官房長官にお伺いしなければなりません。4月2日の行政改革推進本部で、安倍総理は、無駄の撲滅に向けて、行政事業レビューと調達改善を行うこと述べ、「各閣僚におかれては、一層のリーダーシップを発揮し、積極的に無駄の撲滅に取り組んでいただくようお願いいたします」と発言しています。

 これが、レジーム・チェンジの旗を振った総理としての行革に対する基本的な考え方なのでしょうか。これ以上でもこれ以下でもない、「無駄の撲滅」にがんばれというだけが、安倍内閣の行革の哲学なのでしょうか。

(対官房長官)
問4.私が、しつこくお尋ねするのは、安倍総理は、2月28日の施政方針演説では、2015年度までにプライマリー赤字の半減、2020年度までの黒字化と、財政健全化目標の実現を目指すとしているからです。

 財政健全化は進めるが、他方で、歳出見直しや効率化については、考えすら示されていません。一体どうやって財政再建するというのでしょうか。安倍政権では、消費増税、あるいはバラ色の経済成長による税収増だけで財政再建をする方針なのでしょうか。

(対稲田大臣)
問5.安倍政権には、行政改革の哲学はないのでしょうか?稲田大臣にお伺いします。そもそも、行政改革は何を目的に行うのでしょうか?稲田大臣、行政改革の目的について、ご自分のお言葉でお答えください。

(対稲田大臣)
問6.これまで、幾度となく、行政改革の試みは行われていますが、政府部門は、常に、非効率だと批判されています。民主党が行った事業仕分けでも、次から次への無駄な事業が明るみに出されました。

 行政改革により問題を解決するためには、問題の根源を知る必要があります。政府部門の効率化が進まない理由は何だとお考えでしょうか。政府部門は、利益を追求する主体ではないので、民間のような効率化のインセンティブがないのはわかります。

 私の質問は、これまでの取組みが成功していない理由は何かというものです。問題が正しく認識されなければ、解決しようがありません。行革担当大臣として、何が問題と考えるのか、お答え願います。官房長官にもお答えいただきたいと存じます。

(対官房長官)
問7.前置きが長くなりましたが、私個人の公務員としての経験から申し上げると、霞が関で予算の効率化が進まないのは、効率化が自分の責任だと思っている人間がいないことです。

 霞が関で、役人の評価基準は何だか、ご存じですか。予算をたくさん獲得して使うことです。あるいは、様々な制度や法律をつくることです。

 安倍総理は、4月3日の第47回国家公務員合同初任研修開講式で、公務員に求められることとして、「政策のプロ」になることを挙げ、「政策の企画立案を担う皆さんが、その政策分野の「スペシャリスト」でなければ、国益を守ることはできないのです。」と訓示されています。

 この訓示に異論を唱えるつもりはありませんが、公務員の役割は政策の企画立案であり、予算の効率化、効率的な行政運営などは関係ないと、総理自らが言っているのです。これでは、霞が関の役人は、効率化など自分の仕事だと思いません。

 英国などでは、官僚、なかんずく、そのトップである、事務次官やエージェンシーの長の役割は何だかご存じでしょうか。

 事務次官であれば、企画立案に関して大臣に対し助言もしますが、それだけではありません。簡単に言えば、予算は国会が決めるが、国会が決めた予算を効率的、効果的に使う責任は、一義的には、次官やエージェンシーの長の責任なのです。もちろん、大臣の監督の下ではありますが、あくまでも、一義的な責任は次官にあります。

 次官は、定期的に、日本でいえば、決算委員会に出頭が求められ、会計検査院などの監査や分析などに基づき、予算の効率的・効果的な執行に努力したかをチェックされます。それに応じて、ボーナスなども算定されます。

 制度的には、英国では、次官やエージェンシーの長は、「会計官」として任命され、機関の年次報告書、財務諸表、そして内部統制報告書などに署名しなければなりません。そして、予算の執行に責任を課せられています。もちろん、単にルールを守るだけではなく、成果を上げることが求められます。

 そして、重要なことは、英国等では、各省に厳しい予算制約が課せられていることです。ただし、制約の中では、予算の弾力的な使用が認められています。予算を効率化するためには、厳しい予算制約と執行の責任をもつ者、大臣ではなく公務員のトップに必要なのです。

 民主党政権でも、正直言えば、事業仕分けで一定の成果を上げたものの、それを更に活用するための改革はできませんでした。安倍政権では、行政事業レビューを改善し、各省において効率化することになっています。残念ながら、安倍政権がつくった指針は、これまで、同僚議員が再三指摘した通り、相当後退しています。

 しかし、決定的に欠けていることは、責任者と責任の内容が明確に定められていないことです。行政側の責任者は官房長に過ぎません。つまり、行政部門のトップではありません。これは、独立行政法人改革でも同じです。

 
 私は、事務次官や独法の長を財務会計の責任者、例えば、民間でいう「最高財務責任者」(Chief Financial Officer)として任命し、行政の効率化を目指すべきだと考えています。そして、その成績により、次官らのボーナスを算定します。彼らを競争させるのです。これこそ、レジーム・チェンジだと思っていますが、こうした改革を進める考えはないのか、お尋ねします。

2.政府調達改革

 政府調達改革もなかなか進みません。私自身、通産省の情報処理システム開発課長の当時、ITの政府調達改革を一生懸命やりましたが、10年経っても改善の道は遠しです。

 しかし、政府調達は巨額です。省庁が6.6兆円、独法が3.2兆円、国立大学法人でも1兆円と10兆円を超える金額です。保険制度を通じた薬剤は7兆円、介護サービス8兆円。国、地方を合わせた一般政府部門の調達は65兆円で、国内総生産の約13%に及びます。

(対財務大臣)
問8.財務大臣、このような巨額な調達において、現実の問題点はどのようなものでしょうか。

私の考える問題点は以下の通りです。

・財務省が管理する会計システムはデザインが古く、1件ごとに1円単位で記録していますが、支出内容を分析できない状態です。

・省庁が財・サービスを調達する際に定める予定価格の上限拘束性。英米では参照価格はあっても予定価格はない。

・会計法は明治22年の法令で、時代遅れ。目的規定すらない。ITサービスの調達も文房具の購買と同じように扱うことになっている。複数年契約や成果主義の支払いも難しい。(例)英国の公共事業では、公務員にもインセンティヴがある。

・専門的な人材の不足。米国ではプロジェクトマネジメントの専門家がITや軍事予算などの調達を行っている。国際的な学会があって、引退したら、大学の教授になるほどのプロ集団。

・司令塔であるべき政府調達庁がない。英米では政府調達庁があり、基本方針、ガイドラインの作成、人材育成を行っている。各省庁は汎用品を集中管理するエージェンシーのウエブサイトから安く購入できる。米国政府では10年以上前から、旅費や少額の決済はビザカードに外注してコストを減らしている。

 まずは、古い財政法から改正して、政府調達に取り組まれてはいかがでしょうか?

以上。

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