経済対策と金融緩和
欧州の財政金融調査から帰国。
ギリシャ危機や周辺国への伝播と言うリスクをかかえながらも、ユーロ安を背景にドイツ、フランスの景気の回復で自信を持っているユーロ圏経済。
一方で、円高と株安で、景気の先行きが見えない我が国経済。
基本的に、小手先の政策で転換がはかれるような甘い状況ではありません。
このブログでも書きましたが、2007年までの米国住宅バブルと円安の仮需要に依存し、事業転換を行ってこなかった日本の経済構造を根本的に見直すことが重要です。
これまで、自民党政府も、景気が悪くなると、無駄な公共事業をばらまいて、借金の山をつくっただけでした。結果は、日本経済の生産性をさらに悪化させただけでした。
エコポイントは需要の先食いと、一部の産業だけを優遇する政策で、緊急避難的にはいたしかたありませんが、ダラダラと続けるべきものではありません。
急激な円高は、何とか防がねばなりません。
しかし、ファンダメンタルズからくる円高は、人為的に操作できるものではありません。為替介入は1995年のように、欧米との協調がなければ、かえって逆効果です。
円売りの介入のためには、短期市場から円を借りなければなりません。今、その残高は100兆円。3か月ものを借り替えながらのオペレーションです。仮に、単独介入するなら数十兆円の規模が必要です。
今なら、短期市場からお金をとれるでしょう。しかし、円買い介入できない以上、マーケットがタイトになった瞬間、金利が高騰するリスクがあります。
皆さん、ご存知でしょうか?外為特別会計の埋蔵金を一般会計に入れる時も、特別会計のドルを使えないので、わざわざ政府短期証券を発行しているくらいなんです。
日銀は期間3カ月の新型オペの拡充で、20兆円を30兆円に、3か月を6カ月にすることでしょう。しかし、すでに市場が織り込み済みなので、効果はありません。
政策の発動はタイミングとスピードが命です。
ここまできたら、すみやかに基本的な経済構造転換の政策を提示すべきです。
その方が、市場は評価するはずです。