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2010年4月18日

公務員制度改革PART3

 公務員制度の改革に関して、再度、続けます。

 日本では、自民党政権時代、「資格任用」制度を前提にしながら、幹部公務員の人事に政治家を介入させないという不文律がありました。

 しかし、法的には大臣に任命権があり、大臣は公務員を自由に任命できます。その意味では、過去に、「例外的」に(!?)、大臣が人事権を発動して、「事件」になったことがありました。

 この結果、役所内の身内の都合だけで、幹部公務員が選ばれてきました。ですから、他の省庁から幹部を登用する英国のように、競争原理は働きませんでした。

 国家公務員法は、成績を基準とする資格任用の原則を規定していますが、残念ながら、それを担保する仕組みがありませんでした。

 したがって、今度は「政治主導」になれば、日本では、政治的に、あるいは恣意的に公務員が任用されるリスクが高いと言えます。

 今回の改正では、官房長官が資格審査をし、幹部候補者名簿を作ることになります。しかし、そのプロセスが英国のようにオープンではありません。一般職の資格任用制度の中で、身分保障が与えられる幹部公務員の選定方法としては、中途半端です。

 このような制度のままでは、「政治任用」とも言えますから、むしろアメリカ型にしてしまって、身分保障は与えるべきではありません。

 身分保障を与え、専門性を期待するというのであれば、英国型の中立的な選考委員会で審査した上で、その判断の基準、選考の過程をオープンしていくべきだと考えます。資格審査の基準としての「標準職務遂行能力」はあまりにも抽象的であり、十分な基準にはなりえません。

 また、公募制の規定もその形態や行われるべきポストなどがあいまいです。資格任用制度を前提にした幹部任用であれば、英国のように、原則内外公募制として、競争原理を発揮すべきです。

 もちろん、首相や大臣には応答性の高い政治任用のスタッフも必要です。英国の政治任用公務員である「政治顧問」制度も参考になりますし、フランスでも「キャビネ」という政治任用の制度があります。これは、大臣室に政治任用者と一般公務員が10〜20人程度の混成チームをつくるものです。

 その意味では、政治主導確立法案にうたわれている「内閣政務参事」や「内閣政務調査官」あるいは各省におかれる「政務調査官」がどのような位置づけなのか、重要になってきます。

 結論を言えば、中立的な資格任用で、かつ公募制で競争原理に基づいた幹部公務員と、政治任用のスタッフをバランス良く組み合わせるべきです。今回の改革案は、その意味では、さらに改善の余地があるものと考えます。

             私たちのために。
             私たちの子どもたちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

公務員制度改革PART2

2010年4月15日

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2010年4月20日