社会が変わるマーケティング
合宿講義最終日。いつものことながら、三日間、同じ釜の飯を食べながら、夜は授業の後、お酒を飲みながら、学生さんたちと議論をしています。今時の?!若者の考え方や感性がわかります。それが、最大の楽しみです。
課題図書の三冊目に、きっちりと読み込んだ本は、フィリップ・コトラー、ナンシー・リー著の「社会が変わるマーケティング」(2007年、栄治出版)です。
ニュー・パブリック・マネジメントの考え方は、2000年ごろから、日本にも入ってきました。公会計の導入、市場化テストなども試行されました。残念ながら、霞が関の役所の側に、真剣に受け入れる土壌がありませんでしたので、、市場化テストは大失敗。もっとも、公会計はともかく、国や、特殊法人などの資産負債バランスに注目する考え方は根付きつつあります。
この本は、民間企業では当たり前に使われるマーケティングの手法を電気、ガス、水道などの公共サービス提供者や国や自治体の行政に適用する方法、成功事例などを教えてくれます。
当然、上から目線の行政ではなく、「顧客中心主義の採用」や「市場の細分化とターゲット市場の設定」などが、行政分野にも適用されていきます。
2005年から始まった、「英国の学校給食革命」の事例。有名な29歳のシェフ、ジェイミー・オリバーのリーダーシップで、学校給食の素材を冷凍食品から天然素材や、野菜、果物中心に変える運動が起こります。その結果、ブレア首相は毎年約700億円の学校給食改善予算を組むことになりました。
このような事例が満載のこの本は、マーケティングの基礎も学びながら、公共セクターのあり方を根源的に問い直す好著です。
今年の学生さんは地方公務員志望が多かったので、バッチリの選択でした(これは、偶然なんですけどね、、、w)。
多くの公務員の方々、公務員志望の皆さんに読んでもらいたい一冊です。
私たちのために。
私たちの子どもたちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。