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2009年1月20日

オバマ大統領就任で思うこと

 オバマ大統領が、今から数時間後にアメリカの44代大統領に就任します。

 前にも、このブログに書きましたが、長い時間をかけて、根深い人種差別の問題を克服しようとするアメリカ社会の力強さを再認識します。

 私が、10年前に東海岸の大学町に暮らしていた頃、リベラルな気風のある所でしたが、まさか、アフリカ系のアメリカ人が大統領になるとは想像できませんでした。

 アメリカの底力を今さらながら、感じます。

 しかし、オバマ大統領の前途は多難です。それは、たいへんな経済危機にどのように対応するのかという目先の問題だけではありません。

 アメリカが、初めて「グローバリゼーション」に対応しなければならないからです。これまでの「グローバリゼーション」には、「アメリカ化」と言う側面が強かったように思います。

 元々、「グローバリゼーション」とはヒト・モノ・カネが自由に移動して、国境を問題にしない状況を意味します。その意味では、1914年以前の世界も「グローバリゼーション」でした。

 今のITに対応する技術は、大陸間の海底電信ケーブルと蒸気船です。この二つの技術で、世界が一つに結ばれました。今の「グローバリゼーション」は、アメリカ発のITによって可能になりました。

 そして、「アメリカ金融帝国」がアメリカンスタンダードを日本やヨーロッパのみならず、新興国にも押し付けてきたわけです。そして、ついに、「アメリカ金融帝国」のビジネスモデルが破綻しました。

 今後は、実物経済に注目が戻るはずです。そうなると、人口30億人のBRICsがこれからの世界経済の中心になってきます。20年後には人口10億人の先進国とGDPで肩を並べ、その後、追い抜いていきます。

 今すぐ、アメリカ経済やドルの影響力が無くなることはありませんが、20年のスパンで見れば、アメリカもBRICs中心の「グローバリゼーション」に対応せざるを得ません。

 オバマ大統領は、アメリカが「グローバリゼーション」に受身に対応する最初の大統領になるはずです。日本の立ち位置は、その意味でも、アメリカ追随型から、BRICsなかんづく、中国、インドを中心としたアジアとの連携を模索するものに変わるべきです。

 経済は、自然の流れの中で、アジアとの経済統合を進めてきました。政治だけは、内向きの政争を繰り広げるだけで、「グローバリゼーション」の意味すら変わりつつある現実に対応できていません。

 このような議論を国会の場で、与野党の代表が戦わせてくれれば、国民も政治不信にはならないはずです。

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

中央大学高窪統教授のご冥福をお祈りします

2009年1月17日

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グローバリゼーションの光と影

2009年1月22日