アメリカとのお付き合い
今回のサミットの問題点は、環境問題の進展が見られなかったことに加え、やはりエネルギー価格や食糧価格の高騰に対してきちんとした対応ができなかったことでしょうね。
カジノ経済と言われるように、巨額のマネーが利益を求めて世界中を駆け巡るわけですから、ファンドの動きに対して、情報公開や一定の規律を求めていくべきでしょう。しかし、今回のサミットではまじめに議論すらされませんでした。
理由は簡単で、ファンドの規制の話には、アメリカが絶対に乗ってこないのです。私が、国際金融の仕事をしていた10年前でも、ちょうどヘッジファンドの規制の問題が、取りざたされるようになっていました。G7会議を始めとするいろんな国際会合で、この種の議論はアメリカの反対で俎上には上りませんでした。
結局、サブプライム問題で、アメリカ国内の経済が一番被害を被ったわけです。それでも、カジノ経済を守ろうとするアメリカ国内の金融資本の政治力が、国際的な議論の流れを決めてしまいます。アメリカとのお付き合いはこれからも頭の痛い問題です。
それにしても、日本のマスコミももう少し、インターナショナルになってもらいたいものです。内向き志向なので、国民をミスリードすることになりがちです。
このブログでも書きましたが、サミットの首脳宣言を英語の原文で読んでから報道している新聞は皆無のようです。その後、「seek」という言葉の持つ弱いニュワンスに関して、批判した新聞記事を読んだことはありません。
外務省の官僚が用意した「仮訳」だけを読んで、記事を書いているのです。「求める」と書かれていれば、それを鵜呑みにするしかないわけです。東京のジャーナリストに聞いたところ、NHKのBS放送のニュースだけが「seek」の問題点を解説していたそうです。日本のマスコミには猛省を促したいところです。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。