コメントお礼
早速、たくさんのコメントをいただき感謝です。お返事を書きたいと思いますが、その前に昨日いただいたコメントに取り急ぎお答えします。
まず、ご質問にお答えする前に、私が「財務省のOBが中央銀行の総裁になるべき。」との立場でないことを再度、明らかにしておきます。前にブログにも書きましたが、適材適所で人選していただければ良いので、財務省OBである必要はありません。ただ、「民主党の反対理由が論理的でない。」ということを言いたいだけです。説明不足で、読者の皆さんに誤解がありましたら、おわびします。
もうひとつ。海外では、職業の流動性が進んでいますので、優秀な人材ほど転職します。特に、アメリカなどでは、「リボルビングドア」と言って、民と官、そして研究者の間で垣根がありません。プリンストン大学に席を置いていたとき、今のバーナンキFRB議長は私の研究室のワンフロア下に部屋を持つ教授でした。
私自身、アメリカでの影響を受けて、これからは日本も官民の流動化を図る必要があると思い、財務省からトヨタ自動車に移ったのです。しかし、まだまだ、日本では終身雇用の文化ですから、それが日銀総裁人事の議論を難しくしています。
(コメント)
・諸外国の中央銀行総裁に財務省出身者が就任する例が見られるとしても、諸外国の財務省が日本の財務省のような強大・強力な官庁なのかどうか(法制度的な観点に限らず)
(答え)
私の経験では、どの国も財務省は強力で、財務大臣は重要ポストです。お金の流れをコントールできるからです。ただし、最初に述べたように、転職が当たり前の欧米では、強力な財務省のリーダーをしていた人間が中央銀行に行けば、中央銀行が強くなると考えますので、歓迎されるわけです。
(コメント)
・我が国の国債大量発行などの財政金融の特殊状況が、単純な諸外国における財務省出身者就任との比較を許すものなのか
(答え)
国債をたくさん出したいと思う財務官僚はいません。政治家が赤字国債を発行させてきたわけです。財務官僚は、「いっそ国債金利が暴騰すれば、政治家さんも目が覚めるだろう。」と考える人たちです。財政金融の特殊状況は、財政規律を守る内閣が成立すれば乗り越えることができます。
(コメント)
・「オープンに財務大臣や首相と対等に意見交換のできる人材」と言っても、そもそも妥協の積み重ねなくして幹部に上り詰めることが容易ではないお役所のOBでそのような矜持を持った人物がいるのか(これまでの役所の人間関係や政治家などとのしがらみをあっさり断ち切れるのか)
(答え)
このコメントは一理あります。金融の世界にはプロが必要です。本来は民間金融機関から、候補者が目白押しでなければならないはずです。銀行や証券会社のトップの中から日銀総裁が出せない今の日本の状況こそが問題であることがよく判ります。私は、本来、民間金融機関のトップが就任すべきだったと考えています。
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。