2008年1月14日
新年会
(集中講義での課題図書2冊)
昨日も中央大学の集中講義。山田昌弘さんの「少子社会日本」(岩波新書)、岩田正美さんの「現代の貧困」(ちくま新書)も教材に使いました。岩田さんの著作は、これまで真剣に取り上げてこられなかった「貧困」の問題に正面から向き合う力作です。
格差問題としてワーキングプアーの問題が議論されても、結局は「程度問題」として議論が散漫になりがちです。「貧困」の定義をきちんと議論することで、いろいろな問題が見えてきます。
グローバリズムの影響からは逃れられない中、少子高齢化で人口が減少し、国境を越えて貧困が生まれてくる。ある学生が「貧困の問題は先進国の中に南北問題が生まれていることを意味することに愕然とした。」とコメントしていましたが、まさにその通りです。
頭のやわらかい若い学生諸君とのディスカッションでしたが、議論すればするほど、日本の経済や社会の未来に悲観的な要素が多くなっていきました。今のままの延長線上には、今の豊かさはありえません。相当の覚悟によって、私たちの生活様式や教育のあり方を変えていかなければ、今のような生活水準をたもつことが不可能であることだけは確かです。
重い宿題を背負った気分で、羽田に直行。夜の新年会に間に合うように走りました。応援していただいている企業が10周年の記念と新年会を一緒に行うたいせつなパーティーです。何とか、間に合うことができました。歌謡ショーやビンゴゲーム、福引などの余興も含めて、最後まで、楽しませていただきました。