ジェラルド・カーチス米コロンビア大教授
「冨士会議」の昨日の、基調講演はジェラルド・カーチス先生のお話でした。カーチス先生は日本の政治学の専門家で、今はニューヨークが半分、東京が半分の生活をされています。私が数年前に経済産業省の研究所(RIETI)に客員研究員として在籍していたときに、カーチス先生もフェローとしておられ、ご指導をいただきました。よくシンポジウムなどで一緒に出演させてもらいました。なつかしい思い出です。
カーチス先生も私のことを覚えていてくださり、「やあ、久しぶり」と声をかけていただきました。もちろん、日本語で。
先生のお話のポイントは、「高度成長の時代には、日本人の「悲観論」は意味があったが、経済が落ち込んだ後は、「楽観論」が必要。」というものです。
このことを一番よく理解していたのは、小泉さんで、「頑張れば、よくなる!」という楽観的なメッセージを送り、変化とリスクを恐れない姿勢が国民に受けた。アメリカの大統領候補のオバマ氏の「今こそページを前にめくる時だ。」というメッセージと同じ。日本の民主党にも、このような楽観論に基づく主張が必要だとのことでした。
安倍さんは、「戦後レジームの脱却」という後ろ向きのメッセージしか出せないので、暗い。しかも、やたらと英語を使い過ぎる。「オープンとイノベーション」なんて何を言っているのかアメリカ人の先生にも意味不明だそうです。
日本の良さは、美しい日本語、謙虚さ、礼儀正しさ、清潔さなどで、今の日本でも十分に「美しい。」しかし、国際的な競争に備えて、税制や通信システム、空港の問題などもっと変えなければならないことも多い。
いたずらに悲観せず、冷静に、外国を参考に変えるべきものは変えていく。イデオロギー抜きで楽観的にリスクを取るべきだとの結論でした。
夜のパーティーでは、お酒を飲みながら、カーチス先生とじっくりおしゃべりもできました。前向きに、楽観的に生きている(!?)私としては、すごく勇気をいただきました。