2023年2月28日
「財政危機警報」を出しました。
2023年度の予算案を作る際に、財政当局に10年間の推計をお願いしました。
私は、財務省で働いていたころ、3分の2は財政畑で、3分の1は国際畑で仕事
をしていました。
これまでの県の財政の見通しは5年間でしたが、物価や金利の上昇、高齢化によ
る社会保障費の増加などを踏まえ、新たに10年先まで計算しました。財政のプロ
の目で見直すためです。
その結果、県の貯金とも言える基金は25年度にはマイナスになり、10年後の公債
費の負担は2倍近くにふくれ上がることがわかりました。金利がさらに1%上が
れば、それだけで33億円の増加になります。これまでの県の借金が根雪のように
なっており、将来の負担が増えるためです。
そのため、今回「財政危機警報」を発令し、23年度予算案は「財政見直し元年」
予算と位置付けました。
今はまだ「警報」の段階ですが、昨年度に出た剰余金を使って公債費にあてるた
めの臨時の基金をつくるとともに、予算のやりくりを行い、県民の皆さんに安心
してもらえる財政運営につとめます。
私の尊敬する政治家で江戸時代末期の備中岡山藩の山田方谷は「歳出カットや増
税で財政再建はできない。」と教えています。
いたずらに予算をカットするのではなく、コストパフォーマンスの悪い事業を見
直したり、公共事業もできる限り県の負担が少なくなる「国土強靭化」予算に振
りかえるなど、賢いやりくりをしていきます。県民の皆さんのご理解とご協力を
お願い申し上げます。