和歌山市のワクチン接種状況について―集団接種もスタート
日本の2020年度のGDPはマイナス4.6%と戦後最大幅のマイナス成長になりました。
日本では2021年1-3月期もマイナス5.1%と厳しい状況ですが、ワクチン接種の進んでいる米国の経済は順調に回復しています。
中国は感染者数が少ないことで経済回復軌道に乗っています。
世界的にはワクチン接種の進捗状況と感染者数の少なさが経済成長の決め手となっています。
5月上旬のOECD37か国の一回目接種状況を見ると、1位のイスラエルは63%、続いて英国52%、米国44%と続き、日本は最下位の2%です。
日本では特に大都市圏を中心にワクチン接種が遅れています。
そんな中で、和歌山県のワクチン接種率が高いことについては県の保健当局に感謝しなければなりません。
和歌山市も5月17日現在の高齢者ワクチン接種状況を見ますと、1回目は12,229回で全体の11%。2回目は1,474回で1%です(VーSYS)。
それにしても、政府の目標と現場の実情には大きな差があります。
和歌山市にはすでに高齢者の95%分のワクチンが届いているようですから、今後のワクチン接種に期待します。
その一環として、和歌山市が新型コロナワクチンの集団接種の日程を発表してくれました。とても有難いことです。
場所は、イオンモール和歌山、和歌山市北コミュニティセンター、和歌山市南保健センターです。
実施日は以下の通りです。
1回目接種:6月12日(土)、13日(日)、19日(土)、20日(日)
2回目接種:7月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)
予約開始日など詳細は今後発表されますが、アナフィラキシー対策など安全面からも集団接種は大歓迎です。
個別接種には、かかりつけのお医者様に注射を打ってもらえる安心感があります。
一方で、小さな病院や個人のクリニックでは個別の医師の高い志に依存しており、かなり無理が生じているようです。
クリニックでも1000人を超える予約は当たり前、昼間の電話はパンク状態。ワクチン関連の事務作業もたいへんです。
また、一人で何か所も予約する方がおられて現場が困る場面もあるようです。
アナフィラキシーに備えるために、酸素ボンベをはじめ各種の装置や特別のお薬が必要ですし、30分間の待機は、狭い待合室では困難です。1日に打てる数は限られます。
特に、高齢者の施設を受け持っている医師は、「A施設は2人、B施設は3人」となると、ワクチンを解凍してから6時間以内に、和歌山市内を走り回っておられます。
医師一人びとりの心意気だけに頼る仕組みはサステイナブルではありません。
仮に政府目標の7月中に高齢者へのワクチン接種が終了した後に、65歳未満の若者への接種でも集団接種の重要性は高まることでしょうから、今回の集団接種の希望者数、実施数などを注意深く見守り必要があります。
和歌山市からは、順調に接種が進めば、高齢者だけでは6月下旬には接種量が減少する見込みであり、並行して一般の基礎疾患を有する方への接種を開始したく、それに見合う十分なワクチン供給を要望されています。政府には、その旨をしっかりと要請していきます。