日本版ベーシックインカム
(衆議院事務総長に対し、格差是正及び経済成長のための税制改正法案を提出。)
ベーシックインカムとは、国民に一律に現金を給付し、基本的な所得を保障するしくみです。
フィンランドやオランダで、その実験が行われていて、今年のダボス会議でも大きな話題となりました。
所得税における各種の控除や、生活保護、年金、児童手当などの社会保障を総合する制度ですから、行政改革にもつながります。
私たちは、そこまでの完全な制度をすぐに実行することはできないにしても、所得税の抜本改革を行って、「日本版ベーシックインカム」のスタートを切りたいと考えました。
まずは、所得控除を税額控除に、そして給付付き税額控除に切り替えます。
所得控除の仕組みは、高い税率を払っている高額納税者ほど減税額が大きくなります。
たとえば、基礎控除38万円について、最低税率5%の方の減税額は1.9万円、最高税率の45%の方の減税額は17.1万円です。
一方で、税額控除はすべての人の控除額が同じ(たとえば、基礎控除を3.8万円にすると減税額は全員3.8万円。)ですから、所得の低い人ほど恩恵が大きくなります。
税率をいじらずに、所得再分配効果を発揮して、格差を是正できます。
この法案では、基礎控除を税額控除に。そして、配偶者控除と扶養控除を廃止し、税額控除の「世帯控除」に再編します。
就労による所得が増えれば増えるほど、税額控除が少しずつ増え、引ききれない減税額を給付する「就労税額控除」を創設します。
ただし、直接現金を給付するのではなく、年金保険料などの社会保険料に充てることで、効率の良い制度にします。その結果として、将来の無年金者や生活保護世帯を減らすことができます。
給与所得控除を見直すとともに、個人を応援するために基礎控除を手厚くし、働き方に中立な世帯控除で、激変緩和もしながら、税収中立の所得税改革とします。
これが、「日本版ベーシックインカム」の案です。
税収中立の考え方ですから財政再建とも矛盾しません。国会で大いに議論したいものです。