休眠預金口座の活用策について
(日本財団で開かれた休眠口座国民会議主催のシンポジウムにて。)
昨日、休眠口座国民会議主催のシンポジウムにパネラーとして参加。超党派の「休眠預金活用推進議員連盟」の創設を記念するものでした。
議連メンバーとして私の他は自民党の山本ともひろ代議士、 公明党の谷合正明参議院議員。そして、フローレンスの駒崎 弘樹代表、京都地域創造基金の深尾昌峰理事長。
モデレーターはファンドレイジング協会の鵜尾雅隆さん。司会は坂之上洋子さん。
そうそうたるメンバーで楽しく、休眠口座の活用策について議論ができました。
休眠口座?聞きなれない言葉ですね。
これは、長い間、引き出しや預け入れなどの取引がなされていない銀行口座のことです。日本では銀行で10年、ゆうちょ銀行で5年以上となっていますが、何年経っていても払い出しはしてくれます。
毎年、800億円を超える休眠口座が生まれています。途中で気づいて返金を求める方が3~4割程度。
したがって、毎年500億円くらいの休眠口座の預金が活用可能なのですが、今は銀行の利益とみなされて課税されています。
韓国やイギリスでは、この休眠口座のお金を財団に移して、NPOや福祉団体、社会事業などに使っています。財団に対しては、金融当局が監督と規制をしています。
日本でも、同じように休眠口座を社会企業家やNPOなどの活動に使おうという議論が起こり、「新しい公共」をかかげた民主党政権時代に、その方向で閣議決定までしました。
政権交代後、いったん熱が冷めたのですが、超党派の議員連盟ができて、再チャレンジすることになったのです。
これから、議連で資金の使い道や、使い方、つまり、どんな分野に充てるのか?融資なのか投資なのか助成金なのか?など、これから決めていきます。その後、議員立法で制度化する予定です。
各地でシンポジウムをしながら、皆さんのご意見を聞いて参考にしたいと思います。
ただし、近い将来、マイナンバーが預金口座に導入されると、名寄せが簡単になるので、休眠口座は必ず減少します。その前提で、現実的な制度設計が求められています。
助成金にしたら、すぐに原資が枯渇します。永続的に活動するためには資金回収のできる融資事業を中心にすえることが合理的です。
支援対象の分野は、これまで予算措置などが無く、日の当らなかった分野に絞るべきです。
将来、原資が減ることを前提に、マイクロファイナンスなどのこれまで陽の当たらなかった分野への融資などが望ましいと思います。
子どもの貧困対策、社会的養護の必要な子どもたちへの支援、社会企業家支援などです。
また、資金を管理する財団は新たに、情報をオープンにして作るべきです。既存の財団などに丸投げするようなことだけはしないようにします。これまで、支援の対象にならなかったところに資金を流すべきだからです。
ただし、人材やノウハウはこれまでの新しい公共分野の現場のパワーと知恵を最大限に活用すべきです。個人としての参加を期待します。
もちろん、政府の関与は排除し、財団のガバナンスなどへの金融当局の監督程度にとどめ、事業内容は任せるべきです。
私としても、これから、超党派のNPO議連の事務局長として、財政、金融のプロとして建設的な提案をしていきたいと思います。