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2011年7月19日

オバマ大統領の債務問題の背景

 

 

週末のタウンミーティングの一こまです。)

 

 アメリカでは、1917年以来、債務の上限が法律で決められています。現在の上限は14.3兆ドルですが、すでに上限に達しています。この上限を引き上げなければ、いずれ、アメリカ政府は債務不履行になります。

 

民主党と共和党が法案をまとめられない中、法的に連邦政府の予算執行が不可能になる日は8月2日です。

 

上院では、執行停止回避への妥協の動きがあります。つまり、上限を段階的に2.5兆ドル上げて、その代わりに大統領に歳出削減案を出させるというもの。しかし、下院では共和党が強硬論を主張しており、大統領も譲る気配はありません。

 

財政の悪化した1970 年代後半~1990 年代は、アメリカでは予算執行停止が頻発。

 

私がアメリカにいた時にも、二回予算執行が停止しました。1995 11 13 日~19 日と1995 12 15 日~1996 1 6 日です。

 

その時、各種の給付金やパスポート発行などの政府サービスが停止しました。一方で、外交、安全保障、米連邦準備制度理事会(FRB)、財務省の業務は維持されました。財務官僚として、この現場に立ち会えたのは良い経験でした。

 

この時は、特例法によって暫定的に予算執行を可能にし、国債のデフォルトを回避しましたので、短期金融市場では若干の金利上昇はありましたが、債券や株式市場への影響は少なかったです。

 

今回、債務上限が引き上げられない場合は政府サービスが止まります。8月中旬の政府短期証券の償還もできません。また、国債も、8月中に874億ドルの償還ができなくなります。与野党でチキンゲームをしているわけにはいきません。

 

しかも、債務上限の引き上げが行われない場合、格付け会社が米国債の格付けを引下げる可能性があり、債券、株、ドルのトリプル安となりえます。

 

日本でも、赤字国債の発行を可能にする「特例公債法案」が国会でいわば「人質」になっており、子ども手当てなどの現政権の目玉政策の撤回を野党に迫られています。

 

 国庫の資金繰りで、9月までは、何とかやりくりができますが、10月以降は、日本でも予算の執行停止の可能性が出てきます。もちろん、日本ではまだ、その経験はありません。

 

 当時、ワシントンに行って、中央官庁のビルが閉まっているのを見ましたが、霞が関でも同じことが起きるのかどうか。

 

困るのは、政府サービスを受ける国民です。

 

正直に言って、「ここはひとつ、政府・与党も野党もお互いに譲り合いましょうよ!」と申し上げたい。与野党の妥協がかなうよう、政調会長補佐として私のできることを、今、必死でやっています。

 

             私たちのために。
             私たちの子供たちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

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