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2010年3月20日

日本の調査捕鯨に思うこと

 先日、大西洋クロマグロの国際取引禁止の提案は、ワシントン条約会議で否決されました。アフリカやアジアの漁業国や発展途上国が日本の味方になってくれた事が否決された大きなポイントでした。

 こういう外交を含めた国の関係の難しさは、国際金融の世界でも見てきましたので、仲間を作る重要性を再認識させられます。

 
 一方、日本の捕鯨は、どの国からも支持されていません。世界中から非難されていますね。国際捕鯨委員会(IWC)では商業捕鯨を禁止しています。しかし日本は「調査捕鯨」だから正当だとして、捕鯨を続けています。そして、毎年1000頭近いクジラを獲って市場に売っています。皆さん、このことをご存知でしたか?

 「調査捕鯨」という名ですから、一般の方々は、調査をしているだけだと思われている方が多いのではないでしょうか?実はそうじゃない。1000頭近いクジラは、レストラン等で食べるために売られているのです。

 それで黒字ならまだしも、財団法人日本鯨類研究所が08年だけでも約8億円の赤字を出しています。毎年税金で補助金をもらいながら続けているわけです。

 皆さんもニュースで、シーシェパードなどのNGOが抗議行動をこの「調査捕鯨」に繰り返しているのを見たことがあるかもしれません。私は、違法な抗議活動には毅然たる態度でのぞむべきだと思っています。法律上は日本の「調査捕鯨」には正当性があります。

 しかしこの日本の「調査捕鯨」を支援、応援して「調査の結果、商業捕鯨を許可する」案に賛成してくれる国は今のところどこにもありません。仮に認められても、これまでの実績からして商業性は全くありません。

  私は、この「調査捕鯨」に反対です。いつまでも、税金を垂れ流し、世界中から非難され続けることは賢い判断なのでしょうか?クジラを食べるために8億円も毎年、税金を投入するのが本当に国民の皆さんの意思なのでしょうか?

 また、日本の捕鯨は伝統だと言われる方も多いでしょう。そこで方針を変えて、日本近海の沿岸漁業者にのみ「民族性の維持」の観点から捕鯨を認めるようIWCに働という案はどうでしょう?

 実は、デンマークやアイスランドでは民族性維持の観点から、少数社会集団に特有の捕鯨があり、IWCで捕鯨が認められているのです!

 日本でも、和歌山県や高知県の沿岸で古来からクジラ漁が続いています。風土的な捕鯨文化を守るという目的だけなら、IWCで応援してくれる国が増える可能性があります。それなら数が圧倒的に少なくなりますので需給のバランスが変わります。零細な漁民にとってもビジネスのチャンスになりえるはずです。

 日本の伝統を守りながらも、世界から見て日本がどう見られているかも戦略的に考える。そして味方になってくれる国を増やしていくことも大事なポイントではないでしょうか。

 皆さんはこの「調査捕鯨」についてどう考えられますか?
 

 参照文献 「WEDGE」2009年2月号 慶応大学教授の谷口智彦氏の論文を参考にさせていただきました。

             私たちのために。
             私たちの子どもたちのために。  
             私たちの大切な人のために・・・。
             信じられない政治に終止符を打つ。
             そして、信じられる政治を創るために。

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