グローバリゼーションの光と影
グローバリゼーションとは、先日のブログでも書きましたが、ヒト・モノ・カネが、国境を気にせず、自由に移動する状況を言います。
背景がIT技術であれ、大陸間の海底電信ケーブルと蒸気船であれ、世界が一つに結ばれますから、グローバリゼーションの特徴はデフレになると言うことです。
世界のどこかの地域の安い物価や、賃金に引きづられます。実際にパックス・ブリタニカの時代に、高い経済成長をしながら、イギリスの卸物価は40年間で3割下がりました(1870−1913)。
今のグローバリゼーションでは、日本はアジア諸国、特に中国との経済統合を経験しています。つまり、日本の経済が中国の物価や労働者の賃金に引きづられるのです。
その結果、最近10年間で、雇用者一人当たりの名目賃金は約1割減少しました(95−05)。
その背景には、総雇用は230万人(95−05)増えましたが、内訳は正社員が400万人減って、パート、アルバイトなどの非正規の労働者が630万人増えたことも影響しています(95−05)。
派遣労働の法整備の問題も、もちろんありますが、歴史的な視点で見れば、多かれ少なかれ、企業はそのような方向で対応せざるを得なかったでしょう。
ですから、日本政府は本当の意味のセイフティーネット(安全網)を準備すべきなのです。たとえば派遣労働者であっても、今は「1年以上働く予定」が無ければ雇用保険に入れないのを「1ヶ月以上」に変えるべきでした。
そして、職業訓練を受けたり、当座の住居を確保したりという仕組みを提供すべきです。働きたくても働けない、弱い立場の人たちを救うのが政治の使命です。
安倍内閣の頃の「再チャレンジ」という言葉がうつろに響きます。与野党を超えて、今こそ「再チャレンジ」の制度設計を!国民の生活が第一なのですから!
私たちのために。
私たちの子供たちのために。
私たちの大切な人のために・・・。
信じられない政治に終止符を打つ。
そして、信じられる政治を創るために。