桂米朝さん
今週末は読書シリーズです。桂米朝師匠の「落語と私」は復刻版ですが、本屋で見つけてすぐに買いました。文庫版の「落語と私」は何度も読み返しています。米朝師匠は、消えかけた上方落語を復活させた功労者のおひとりですが、特に埋もれたネタを掘り起こし、現代によみがえらせたことで評価の高い方です。
桂米朝落語全集は私が若い頃から、何度も読み返し、ボロボロになっています。師匠の高座も大好きで、東京で独演会があると、仕事をさぼって必ず行きました。上野の鈴本演芸場でクリスマス時期にやる米朝一門会や、霞ヶ関のイイノホールなどです。一門会では、桂枝雀師匠の噺が聞けるのも楽しみでした。ちなみに、鈴本の隣に、漬物の酒悦のお店があって、福神漬けを買うのがくせになってましたね。
私は、中学校で弁論部に入りました。当時の城東中学の弁論部はとても強くて、近畿では負ける相手はいませんでした。もっとも、中学で弁論部のある学校は多くなかったですが・・・・。今は、弁論部のある中学校はまず存在しないようです。
その時に、弁論にたいせつなのは「間」であることに気がついて、友人と二人で「落語研究会」を立ち上げました。学校で認められた部活動にはなりませんでしたが、「サークル」的に仲のよかったその友人と続けました。そのときのバイブルが米朝師匠の著作でした。もう、35年以上も昔の話です。
その後、「三つ子の魂百まで」で、社会人になっても落語はよく聞きました。東京は寄席もまだあって、ホール落語も盛んでしたから、よい時代でした。今でも、「間」の研究はかかせません。人前で演説するようになって、落語は仕事の上で必須科目になってしまいました。もっとも、趣味と実益が一致するので、ありがたい話です。