トリガー条項発動でガソリン、軽油の値下げを!
ロシアのウクライナ侵攻が緊迫の度を強めています。国際社会と協調し、毅然たる態度で経済制裁を持続、強化しなければなりません。一方で、そのことは国際経済に大きな影響を与え、日本経済も返り血を浴びることを覚悟の上です。
コロナ禍からの世界経済の回復基調を受けて上昇していた原油や天然ガスの価格は、ロシアのウクライナ侵攻後急騰しました。
日本でもガソリン価格の上昇が続いています。政府は1月27日から実施した石油元売り会社への補助金制度(ガソリン1リッター当たり5円)の拡充(同25円)を行いましたが、ガソリンスタンドでの価格に十分反映されるかどうか不透明です。
私たち国民民主党は昨年の衆議院選挙の公約でトリガー条項の発動を掲げて戦い、先の臨時国会でそのための法案を提出しました。
トリガー条項とは、「レギュラーガソリン1リッターあたりの価格が3ヶ月連続して160円を超えた場合、翌月からガソリン税の上乗せ分(旧暫定税率)25.1円/lを減税し、その分だけ価格を下げる」というものです。もとに戻るのは、3ヶ月連続して130円/lを下回った翌月からとなります。軽油引取り税の場合は、17.1円/lの上乗せ分を停止しますので、運送業界には必要な措置ですし、流通コストを抑えればいろんな業界のコストアップを防げます。
トリガー条項を発動すれば1年間で1兆5千億円、家計や企業の負担軽減となります。その分財源手当てが必要になりますが、トリガー条項発動に伴う実質GDP押し上げ効果は、1年間継続で1年目に+0.5兆円、2年目に+0.8兆円、3年目に+0.6兆円の計1兆9千億円となります。地方の住民ほど助かりますし、コロナ禍の経済低迷から脱出するためにも有効で、先々財政赤字も小さくなるため、まさに賢い支出になるわけです。
私たちは野党だから政府案に反対するという立場は取りません。先の衆議院予算委員会の審議を通じて岸田首相がわが党提案のトリガー条項について、前向きに検討することを約束してくれました。当面、原油価格の高止まりが想定される以上、国民の暮らしを守るために、リッター当たり25.1円のガソリン値下げを勝ち取ったので、決して100点満点の予算案ではありませんが、一歩前進として予算案の賛成に回りました。
今は、自民・公明・国民の三党首会談を受けて、トリガー条項の発動について幹事長レベルでの協議がスタートしたところです。
マスコミは野党なのに予算案に賛成したと批判しますが、そのようなステレオタイプの発想では激動するこの時代を乗り切ることはできません。
これからも、対決より解決! 国民のために現実的な政策提案を続けていきます。