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2006年6月19日

駅での街頭演説


 今日は月曜日です。昨年の衆議院総選挙で落選をした翌日の9月12日の月曜日の朝から、私は駅での街頭演説を再スタートしました。和歌山市は人口約38万人の地方都市です。大阪難波に通じる南海電鉄の和歌山市駅とJR西日本の和歌山駅があります。この二つの駅で、毎週月曜日の朝1時間ずつ街頭演説を続けています。
 継続は力なりと言いますが、真冬の氷点下の朝も梅雨時のうっとおしい朝も立っていますと、少しずつですが、通勤客の皆さんの反応も変わってまいります。最初は、「単なるパフォーマンスやから、すぐに尻を割るやろ。」と言われていましたが、最近は「ようやってるなあ。」と励ましの声をかけてくださる方もおられます。今日も、暑い真夏のような日差しの中で、かなりの方が手を振ったり、声をかけてくださいました。本当にうれしい一瞬です。
 しかし、最初に始めた頃は、落選中の候補者の演説を立ち止まって聞いてくださるような方は、まずおられませんでした。そもそも、選挙後に街頭演説をするような政治家が和歌山にはいなかったようで、ずいぶんと珍しがられました。通学の女子高生たちが「あのオイヤン、かわいそやな。まだ、演説やってらよ。選挙終わったん知らんのちゃうか?!」なんて、話しながら通り過ぎることもありました。「オイヤンも知ってるんやけど、演説やらせてよ。」とニコニコ応じていました。なにしろ、3、4年経てば彼女たちも有権者ですから。
 そんな朝の街頭演説をしていた時のことです。目の前にいる暗い顔をして通勤しているサラリーマンの皆さんが全く違って見えたことがありました。私も東京では、毎日通勤する側でした。朝は眠いし、二日酔いの時もあれば、仕事が順調でないときもあります。ニコニコ笑って出勤しているサラリーマンはいません。しかし、無職浪人の私の目からは、この不機嫌なサリーマン集団が何とも羨ましい存在に見えたのです。「ああ、この人たちはいいな。行く会社があるんやな。会社に行けば、自分の机もあるんやな。働く場所があって、帰る家庭があって、守るべき家族がいてるんやな。」と思うと、その見慣れた通勤風景が幸福でかけがえのない景色に変わりました。
 その時、この当たり前の生活を守るのが政治の原点なんだと確信しました。会社の倒産やリストラ、あるいは大げさに言えば、戦争が起こればこのような幸福な生活は奪われます。そんなことのないように市民の生活を守るのが政治の重要な役割であると肌身に沁みて感じました。一方で、そんなことも分からずに、選挙期間中、偉そうな演説をしていた自分が恥ずかしく、情けなく思えました。
 毎日の活動の中で、このような「気付き」がたくさんあります。落選したおかげで色んなことが分かってきました。この経験を生かして、次の戦いには必ず勝ちたいと思います。二大政党による政権交代可能な民主政治を実現したいという理想を胸に和歌山に戻ってきた決断は正しかったと確信しています。
 このブログでは、これからの「日々是勉強」の成果を発表していきたいと思います。

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