子ども保険は万能か?

子育て支援の財源を年金保険料に上乗せして取る「子ども保険」の構想が発表されました。厚生年金で労使0.1%、国民年金で月160円上乗せして、児童手当を月5千円増やすというものです。

一見すると子育て世代にやさしい制度のようですが、子育ては保険という仕組みにはなじみません。保険は失業や、病気などの誰もが負うリスクをカバーするものです。子どものいない人まで保険料を取るのはりくつが合いません。

何より、定率、定額の保険料は所得の低い人ほど負担の割合が高くなります。いわゆる逆進性の高いしくみです。国民は増税には反対でも、保険料なら仕方がないかと思って、これまでも社会保険料は限界まで引き上げられてきました。既に、厚生年金保険料は労使折半で18.1%まで引き上げられています。

しかも、今の社会保障の問題は、高齢者の負担が少なく、給付が手厚くて、現役世代との間に大きな不公平があることです。年金保険料では高齢者の負担はゼロです。これでは、選挙対策だと言われてもしかたありません。

今、8%の消費税は引き上げが延期されていますが、次に10%に引き上げる際に、1%分を幼児教育や保育の拡充にあてるように再設計すべきです。その際にも、現金給付よりも保育サービスの充実や放課後の補習授業などの現物サービスに使えば、教育格差の是正につながります。

子育て支援の財源には、医療費のムダづかいやお金持ちの高齢者の基礎年金(税金が使われています。)をカットするなど、まだまだ工夫の余地があります。耳ざわりは良いですが、このように、子ども保険は現役世代にとって不公平なしくみなので、反対すべきです。